わたしの故郷はロマンチックのたくさん詰まった街、函館です。
その尊さはわたしの中でどんどん膨らんでいき、
そこで過ごした景色を思うと胸がきゅっとするのです。
とくに信仰している宗教などはないけれど、
祈る姿を美しいと思ったり、マリア像やロザリオなどがだいすきです。
初めてこころが惹かれたのもシスターでした。
何をするのかもよく知らずに、子供ながらにとても憧れていました。
美しい教会は私にとても影響を与えてくれたと思います。
ケーキ屋さんでもおよめさんでもなく、シスター。
そして、素敵な坂もたくさんありました。
石畳の上を歩くと、不思議と何かをぼーっと思い、
"和洋折衷町家"という呼び名を最近知ったのだけど、
街を飾る風情のある建築物たちも、お気に入りのひとつです。
春夏秋冬それぞれにこっくり染まる、赤レンガもすき。
公会堂や、旧イギリス領事館も
写生会で出掛けたり、通学路や遊び場の中にあるひとつでした。
思い出の場所です。
そして、"宝石箱をひっくり返した様な夜景"
というフレーズがとてもお気に入りの
函館の夜景。
特別に、ゆらゆらきらきらと光る日は
そのフレーズそのものです。
うっとりしあわせな気持ちにさせてくれたり、
時には切なくなることもありました。
世界の色んな美しい街に憧れてきたけれど、
この街には私の好きなものが詰まっています。
この先どこに行っても、この街に戻って来たいです。
私は、時間がゆったり流れる海のあるこの街がすき。
そして、母の住むあったかい家がすき。